浦和民主診療所
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『もの忘れ外来』紹介

毎月第2・4木曜日 午後外来(予約制)

はじめまして、木曜日にもの忘れ外来を担当しております、精神科医の肥田明日香です。今回は認知症とその予備軍といわれる軽度認知障害についてお話しします。

認知症は、なんらかの原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなった結果さまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態のことをいいます。認知症のうち60%をアルツハイマー型認知症が占め、次に多いのは脳血管性認知症です。ほかにレビー小体型認知症、前頭側頭葉型認知症などがあります。

  • 認知症の症状には大きく分けて中核症状と周辺症状があります。中核症状は脳の神経細胞が破壊されることでおこる症状です。その代表が記憶障害(物忘れ)です。健康な人の物忘れは、例えば「うっかり約束の時間を忘れてしまう。」「印鑑をどこにしまったか忘れてしまい、探している。」などです。この場合「約束をしたこと」、「印鑑をしまったこと」自体は覚えています。つまり「自分が忘れている」こと自体は覚えています。認知症の症状による物忘れは、約束したことや印鑑をしまった「そのこと自体」を忘れます。体験自体を忘れているので、認知症の患者さんは理由が分からず「約束なんかそもそもしていない」とか「印鑑がないじゃないか。きっと盗まれたんだ!」と怒ることがあるのです。その他筋道を立てた思考ができなくなる判断力の低下、時間や場所、名前などが分からなくなる見当識障害などがあります。
  • 周辺症状は脳の機能が全体的に低下することでおこる症状で、幻覚や妄想、興奮、徘徊、うつや不安、無気力などがあります。周辺症状はその人の性格やとりまく環境などに関係するため個人差が大きく、変動も大きいです。
  • 認知症は現時点で完治の困難な病気ですが、薬物療法やリハビリテーションにより進行を遅らせたり、周辺症状を軽減することが可能です。家族のケアや地域のサポートもとても大切です。2015年1月厚生労働省により、2025年の認知症患者数は700万人を超え、現状の約1.5倍となるとの推計が発表されました。認知症を抱えながらも患者さんが社会のなかでその人らしい生活、人生を送ることをみんなで応援してゆきたいですね。

(医師 肥田 明日香)